透析療法には、血液を体外の透析器を通してきれいにして戻す〝血液透析〟と、お腹に管をいれて透析液を出し入れする〝腹膜透析〟の主な2つの方法があります。当院で行う血液透析は、事前に手術で皮下に作成した〝バスキュラーアクセス(またはシャント)〟という血液を体外へ出すための血管に針を刺し、管を通して血液を人工腎臓の役割を果たす透析器に流して浄化したあとに体内に戻すという方法です。透析器にはダイアライザーという老廃物や水分・電解質を濾し出す膜と透析液がセットしてあり、血液はポンプの力で体内からその中を流れて不要なものを除去され、再び体内へ戻ります。バスキュラーアクセス(シャント)は、1分間に200ml以上もの血液を送り出す血液透析に必要な太い血管で、手首の近くの動脈と静脈を繋いで作られます。大切な血管ですが、狭窄(狭くなる)、閉塞(詰まって流れなくなる)、瘤の形成(血管の壁が薄くなったり裂けてコブができる)、感染などの合併症もあり、再手術が必要になることがあります。バスキュラーアクセス(シャント)が使用できない場合、応急的に体幹の太い静脈からカテーテルを挿入して血液透析を行うこともあります。
現在日本では約33万人の方が透析医療を受けてられおり、自身で食事や水分摂取量を管理しながら生活し、仕事や趣味を続けている方も多くいらっしゃいます。これから先の人生を充実したものにするために生活の一部となる透析ですから、それぞれの体調や生活スタイルに合わせた方法を一緒に考えていきたいと思っています。疑問や不安はいつでもご相談ください。